有明の早春 Vol 1 -人々-
有明海は海苔の産地。重労働でつくられるのりは奇しくも「黒」石炭と同じ色。
くもり空の下、素朴で力強い人々は働く。夫婦の息が合った作業が続く。
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遠浅の海
有明海は遠浅の海。ここ熊本県荒尾市沖は海岸から遠く離れても水深があさく、潮の干満しだいでは、海苔をつんだ船が岸までたどりつけないときがある。 |
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1日の始まり
海苔をつむ時間はその日の潮によって違う。この日は夜明け直前から作業が始まった。 南国九州も冬の朝は冷え込む。 |
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海苔をつむ
手作業で摘み取るものと思っていたが、すべて機械がしてくれる。 両側の人は網をくぐっていく。海苔を満載した小船はいまにも沈みそうである。 10日に一度は摘まなければならないが、波がある日は小船いっぱいに積めず、 何度も往復しなければならない。 |
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幾何学模様
等間隔で立てられた「さお」はきれいな模様を描く。 さおはグラスファイバーでできている。 従来の竹より高価だが波・風には強い。 網は潮の干満といっしょに上下する。 |
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泥の海
有明海は、まるで泥の海。 海底の泥でうす茶色に濁った海水は陸地から流れ込む養分が豊富で、 のりの発育には好条件である。 |
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海の運搬車
思わず耕運機を思い出した。子供のころ乗ったきり、長いことわすれていたが。 今回久しぶりに乗せてもらった。地元の人々は「海の運搬車」・「テーラー」と呼ぶ。 船から海苔の入ったケースを積み替えて岸まで運ぶ。有明海沿岸の他の地域では見られない。 |
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海の中の道
有明海の海底には道がある。大潮の干潮時に石を入れ固めた道。 目印は所々に立てた竿竹のみ。踏み外したら「テーラー」といしょに海中へ放り出される。 この下には、総延長が約260kmになる三池炭坑の坑道が延びてきている。 海の上と下で重労働が行われている。 |
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